今更だょって人が言う。

一字一句漏らさぬ様に、耳を澄まして物を聞く。

こんな電子の国で何ができる。

こんな電子の音に何が弾ける。

私にできるのは微かな誤差を睨むだけ。

同じ単語を打ってくれても小さく光る表情の違い。

気付かない訳がない。

私はいつでも電子を頼る。

遠くにいたって通じるもの。

仕方ないなんて言わせないからね。

ずっと文字は残るんだからね。

今更だょって文字が言う。

聞こえないフリ。


甘いね。
電子の国に残った願いなんて宣言と変わらない。
万人に通じるような手解きで、今更ながら手を取って。

君にしか送らぬから。
桃色の音に乗せて、琵琶色を通って、ほら。
自分に似合わない程の言葉を再び電子に頼るから。

目の前は非常識なまでの未完成を含んだ鈍色。

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